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再生医療におけるがん免疫療法とは

近年になって、医療の分野で非常に大きな注目を集めているのが、再生医療と呼ばれるものです。実際、雑誌や新聞の見出しなどで、この言葉を幾度も目にしたことがあるという人は大勢いると思われます。しかし、それが果たしてどのような内容の医療なのか、具体的なことは分からないという方も少なくありません。
では、一言で言って再生医療とは一体何でしょうか。簡単に言えば、それは人体がもともと持っている細胞や再生能力を利用して、病気を治そうとする医療のことです。しっぽが切れても再生するトカゲやイモリなどは異なり、人間の場合は、体の一部が失われたり機能しなくなったりすると自然に再生することは到底期待できません。普通は、薬剤を服用したり、医療器材や医療機器を使用したりしなければならないでしょう。場合によっては、生涯にわたってそれらのものを利用しなければならないことも少なくありません。例えば、腎臓が機能しなくなれば人工透析に頼らざるを得なくなったり、心臓が機能しなくなれば心臓移植やペースメーカーを使用しなければならなくなったりします。しかし、人工透析などの使用には別のリスクも伴いますし、臓器移植をしたくても臓器の供給者が少ないというのが現状です。仮に臓器の提供を受けることができたとしても、他人の臓器であるため拒絶反応が起きるといったリスクもあります。そのため、臓器などが正常に機能しなくなったからと言って、簡単に代わりのものを利用できるわけではないということも分かってきました。
そこで、大きな注目を浴びているのが再生医療であるというわけです。この治療法が可能になれば、失われた体の一部や機能を回復させることができるようになるからです。特に、大きな期待を持って受け入れられているのが、再生医療におけるがん免疫療法であると言うことができます。このがん免疫療法では、基本的に言って患者本人の免疫細胞が用いられることになっています。患者から採取された免疫細胞を培養して、それを再び患者の体内に戻し、がんと闘わせるようにするというものなのです。実際、多くの企業や研究機関において、この治療法に関する研究が進められていると言われています。
こうしたがん免疫療法の中でも最も有名なのが、iPS細胞と呼ばれる人工多能性幹細胞を利用した治療法で、一般に再生キラーT細胞療法という名称の治療法でしょう。これは、iPS細胞を利用してがん細胞のみを攻撃するキラーT細胞を作ることに成功した結果、可能になった治療法となっています。この治療法を用いる最大のメリットは、患者自身の細胞から採取されているため、治療に使っても拒絶反応が起きる心配がないという点でしょう。しかも、受精卵つまり胚細胞を未分化のまま使用しようというES細胞の場合とは違って、iPS細胞は既に分化された自分自身の細胞であるため、倫理的にも何ら問題がないとみなすことができるのです。
このように、再生医療において大変大きな役割を担っているのがキラーT細胞ですが、これは人の体内に存在している量が大変少ないのが特徴です。そのため、がん細胞を攻撃し闘う際に必要な戦力を高めるためには、体外で大量に培養し、それを患者の体に投与しなければなりません。ここでポイントとなるのが、キラーT細胞が攻撃の対象となっている細胞を記憶したままでiPS細胞化することであると言えるでしょう。そして、実際にそのようなキラーT細胞が作り出されたということで、注目を浴びています。もちろん、いまだ未知の部分があるとは言え、大変効果的かつ安全な再生医療になるとして大きな注目を集めており、今後の進展が期待されています。

がん , 再生医療