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再生医療による今後の糖尿病治療

私たち人間を始めとした生物の細胞には、傷ついたり欠けてしまった場合でも再生する能力が備わっています。再生医療とは、あらかじめ本人の体外で培養した細胞や組織を、病気や不慮の事故、加齢などで損傷したり機能が低下してしまった組織や臓器などに修復再生してその機能を補完する方法で、無限の可能性を秘めた現在注目の医療方法です。現在の医療ではこのような場合、その失った機能を投薬治療や医療機器を使用した対症療法に頼ることしかできず、患者の生活の質や自立に対して大きな支障が出ているのが現状です。治療が長期化した場合は患者本人の苦痛や苦労はもちろんのこと、家族や周囲の協力が必要であったり、経済的・精神的にも大きな負担を伴います。根治療法となる臓器移植などについては、そもそものドナーの絶対的な不足状況に加え拒絶反応や感染症などのリスクも高い上、術後にも免疫抑制のための薬が必要であるため、未だに標準的な治療方法としては確立していない状況です。再生医療はこれら従来からある治療とは全く異なる方法での根治療法で、長期間に及ぶ投薬治療や医療機器の使用が必要無く、治療期間の短縮にも繋がり患者の早期社会復帰に大きく貢献できる治療方法です。今まで不可能とされていた治療が可能となるため大きな話題を呼んでおり、平成26年9月に世界で初めての手術が行われるなど着実な成果を上げている現在、多くの医療分野で期待されています。そのひとつが今まで「根治することはなく、一生付き合うことになる病」と言われている糖尿病で、そのリスクを持つ人を含めると現代日本の成人男女の4分の1にも上る云わば「国民病」とも言うことができる病気です。人間の体はエネルギー源として消化した食物をブドウ糖に変えて血液に乗せ、体中の細胞に届けています。この血糖を調整するホルモンであるインスリンの不具合があると血糖値が高くなり、その数値が長く続くと糖尿病と診断されます。糖尿病になるほどの高い血糖値が続くとそれだけで昏睡状態になってしまう恐れや、将来的に心臓病や腎臓病、失明などの合併症に繋がる恐ろしい病気で、日本人に多い特徴があります。糖尿病は大きく分けて1型と2型の2種類があり、1型は膵臓からインスリンがほとんど出なくなることによって発症しますが、その原因は自己免疫性と突発性で小児期に多く急激に発症し、注射でインスリンを補う治療を必要とします。2型はインスリンが出にくくなったり分泌されてもインスリンが働かなくなることで発症しますが、その原因は遺伝的要因に加えて食べ過ぎや運動不足、肥満などの環境的な影響が大きく、発症した患者のほとんどがこの2型であると言われており、治療法は食事療法と運動療法に併せて薬物療法を必要とします。この糖尿病の治療に期待されている方法が再生医療で、現在はまだマウスによる研究段階ではあるものの、既に膵臓でインスリンを分泌する働きを持つベータ細胞の再生に成功しインスリンの分泌が改善されたとの実験報告がなされており、根治に繋がる新規の医療法となる可能性があると期待されています。更に、ベータ細胞がある「膵島」と呼ばれる部分自体を再生する方法の研究も進んでいます。これらの方法が更なる研究で実用段階となれば、インスリンの分泌はもちろんのこと膵臓に係わる病の全てを完治させることも不可能ではないと言われており、今後の根治治療への希望が高まります。日本人を含めた糖尿病人口は世界でおよそ4億5千万人とも言われ近い将来には5億人を突破すると予想されており、その治療費も世界の主要国で全体の15パーセント近くを占めているため根治が可能となれば世界的にも大きな効果を生み出すことから、今後の更なる研究が期待されています。

再生医療 , 糖尿病