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再生医療は認知症対策になるのか

再生医療は、簡単に書くと本人の神経・骨・細胞などを人工的に作ることによって組織や臓器を修復する医療分野のことを指します。その治療法を再生治療といい、これによってこれまで有効な治療法のなかった疾患の治療ができるようになることが見込まれており、国民の期待が高い治療法でもあります。
2014年に新たな法律がつくられたことにより日本政府は再生医療で世界をリードするための研究に本格的に取り組んでおり成果も出始めているなど有効な治療方法といえるでしょう。
再生医療の代表格といえるのが、iPS細胞です。この細胞を駆使した治療法は、2018年の夏にすでにパーキンソン病患者で治験に入っている段階です。パーキンソン病の主症状である運動障害に対して、改善が期待されています。ただ、認知障害に関しては現状ではiPS細胞では効果が薄いといわれています。ですので、認知機能を改善するにはまだもう少し時間が必要です。
ただ、認知症の予防や改善分野にも期待されていることも確かです。治療が難しいアルツハイマー病などの病気では、老化した脳血管を若返らせ回復を図る再生医療を駆使した新たな治療法の開発が進んできています。
アルツハイマー病の直接の発症要因はというと、アミロイドβベータ・タウと呼ばれるたんぱく質が脳内に異常にたまることによって、神経細胞が死んでしまうことで発症してしまいます。そしてやっかいなのは、発症後にそうしたたんぱく質を除去しても既に多くの神経細胞が失われてしまっているために機能回復がなかなか難しいと言われている点です。従来の治療では、生き残った神経細胞の情報伝達力を高めることによって記憶や学習を助ける治療薬は出てきています。しかし、アルツハイマー型認知症の病気そのものは治すことまでは不可能と言われていました。
現在の医療の考え方で重要となっているのが、不要な脳内に溜まったたんぱく質を取り込んで除去する脳血管の働きです。アルツハイマーを改善する方法として、老化などの要素で働きが衰えた脳血管を再生することによりたんぱく質の脳内の蓄積も防ぎ、神経細胞の活性化も期待できると考えられています。
この手法がしっかりと今よりも確立されることによって、脳梗塞などに伴って発症する脳血管性認知症の症状改善などにも期待されています。そのためアルツハイマー型のものと合わせて認知症患者全体の8割程度をカバーできると言われており、認知症が薬などで治ると言われる時代はいずれ来るかもしれません。現在はそのための医薬品を、国をあげて開発に取り組んでいる段階です。
現代の日本では少子高齢化が課題になってきています。その中で、これまで数多くの製薬企業が認知症の新薬開発に取り組んで成果をあげようと取り組んできました。しかし、現在に至るまで目立った成果もなく、新薬に向けたハードルも高かったことからコストがかさむなどをして開発中止も相次ぐという現状がありました。再生医療の技術を取り入れた新たな治療法は、従来の課題を克服して快適に治療を受けられる可能性を秘めているため期待されています。
ただ、アルツハイマーの発症の仕組みが現状においてまだ全部は解明されているわけではありません。今回の手法が実際に役立つのかに関してはまだまだ研究が必要な段階です。
それでも、再生細胞を薬のように活用し患者自身が本来持つ自然な再生プロセスを誘引ないし促進させることで、機能を再生させる効能が期待される再生細胞薬が出来上がることは、医学の発展に世界的に大きく寄与することが出来ます。ですので、近い将来には再生医療がもっと身近になる存在になる日は近くなるといえるでしょう。

健康 , 再生医療 , 認知症